ライター:白川司

中国は南シナ海全域に領有権を主張しており、これまでの排他的水域だと考えていた東南アジア各国は反発している。

なぜ中国がこの水域にこだわるかといえば、理由は尖閣と同じ。安全保障上の観点から地理的に重要であること、もう一つは天然資源が眠っていることだ。中国は天然資源がある水域はかたっぱしから領有を主張している。

ただ、面と向かって反発しているのはベトナムくらいだ。そういうわけで、現在、中国とベトナムとのあいだで採掘の権利をめぐって小競り合いが続いている。

TPPに社会主義国であるベトナムが加入したことに違和感がある人はいなかっただろうか。私も最初はちょっと不思議だった。ただ、TPPが中国包囲網であり、ベトナムが中国と国境を接し潜在的に対立しており、かつ「次の中国」の権利をもつ国であり、とにかく中国が嫌いであることを考えれば、加入するのがとうぜん。

TPPはベトナムのためにあるようなしくみだ。

同じことを日本もやられているのだがから、日本はベトナムと安全保障で連携すべきだ。安倍政権はその点も着々と勧めてはいるが、忠吾を譲るくらいではあまり意味がない。最終的に武器輸出を強力に進めて、比較的安価で中国製の性能を上回る武器を東南アジアに輸出しなければならない。その体制をとることは、中国を挟み撃ちにできるという意味では、安全保障上の意味が大きい。

なにしろ東南アジアは中国製の武器ばかりで、それで中国に軍事的に対抗できるはずはない。日本が武器輸出に力を入れないのは、安全保障上の怠慢である。

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