翻訳:崔榮黙(メディアトラジ管理者)

“韓国へ嫁入りしければ君と君の家族は地獄へ行くことになる”

小林花子さん(48)は22年前、結婚と韓国行きを強要されていた状況を記憶していた。 韓国語は全くできず、夫になる人については写真一枚を受け取っただけで、会って話し合ったこともなかったが、彼が出席する統一教(@世界平和統一家庭連合)では、小林さんに韓国へ行って結婚し暮らすよう求めた。 統一教は文鮮明(1920年2月20日~2012年9月3日)を創始者とする新興宗教で、人種間の融合による世界平和の実現を教理に掲げ、信者間の国際結婚を推進してきた。

在韓日本人の小林さんは、統一教で推進した国際結婚事業によって、1997年に日本を離れて京畿道(キョンギド)のある地域に定着した。 最近、離婚と日本への帰国を準備している彼女は、傷だらけの過去を振り返った。

小林さんは、最初に結婚を強要された時から、おかしいなと思った。 全く会ったこともない人と結婚しなければならないことも理解できなかったし、慣れ親しんだ故郷を離れ、見知らぬ外国に定着しなければならないことも理解できなかった。 しかし統一教側は”日韓関係のための神様の意思”とし、彼に韓国行きを促した。 小林さんがためらう様子を見せると、”神の意志を拒否すれば、彼女と家族が地獄に行くことになる”という脅迫までされた。 結局、彼は家族の反対を押し切って韓国行きを選択した。 統一教側は彼女に結婚費用として1400万ウォンを要求した。 後で知った事実だが、韓国人の夫側が統一教から要求されたお金はその1/10の140万ウォン程度だった。 小林さんは神様の意志に従えば地獄を避けることができると信じていたが、韓国での生活こそ地獄に他ならなかった。

“最初の数年間は統一教が発行する新聞を夜明けに配達する仕事をした。 賃金はなかった。 韓国語ができず、夫と基本的なコミュニケーションすらできなかったが、彼はいつも腹を立てていた。 数年前まで夫が経済活動をやっていなかったため、夫の両親を扶養し家事労働はもちろん、経済活動まで外国人である私が耐えなければならなかった”。小林さんは韓国で耐えてきた時間を淡々と振り返った。 韓国で生活するため、過労中にも苦労して韓国語を独学した彼女は、今は他の韓国人に劣らず韓国語を駆使する。 しかし、統一教を通じて韓国に来た多くの日本人女性たちは、韓国語で意思疎通ができず、困っていると、彼女は伝えた。

韓国語の駆使が難しい状況で、女性たちが経験する苦痛は想像を絶する。 対話ができず基本的な人間的交感さえできない状況で、義務的な”夫婦関係”が強要され、精神的に大きな苦痛を受ける。 重い疎外感の中でも家事労働と経済活動まで耐えなければならない。 夫が経済活動をしなかったり、低所得者である場合が多いからだ。 暴言と暴力にさらされることも日常茶飯事だ。 実際、2012年8月21日には江原道春川(カンウォンド·チュンチョン)で統一教の国際結婚後17年間、無職の状態で飲酒や暴力に明け暮れた韓国人の夫Aさんを、日本人の妻Bさんが殺害した惨劇が起きた。 この夫婦は普段、B氏が食堂と家政婦の仕事で受け取る賃金で毎月生計を立てていたという。 B氏は何度も教会に相談し、厳しい状況を訴えていたが、教会ではこれといった措置を取らなかったという。

小林氏も普段、夫から暴言と侮辱に耐えなければならなかった。 夫は小林さんの両親まで悪口を言ったが、小林さんはそれに対して抗議すらできなかった。 興奮した夫から数回暴行を受けたためだ。 しかし、不慣れな異国の地で彼女が助けを求められる所は限定的だった。 小林氏も”教会に訴えてみたが、教会側では夫に会う以上の措置を取らなかった”と伝えた。 むしろ自分の暴力を”告げ口”したという理由で夫の冷遇はさらにひどくなった。

“宗教が配偶者を提供してくれるので、一般の場合だと結婚が難しかった男性も自動的に結婚できる。 事実上結婚を拒否できないため、いくら夫の状態が悪く、彼から不当な待遇を受けたとしても、女性としては我慢するしかない”。 それでも神の意志による結婚なので、いつかはいい日が来ると信じていた小林さんは、夫が暴行の末、台所で包丁まで持ち出すのを見て、日本へ逃げた。

“夫は私が自分の言葉に口答えをすると興奮しがちだった。 その日は台所で包丁まで持ち出すので本当に死ぬかと思った。 夫も子どもたちに’あの日、お前のお母さんを殺そうになった’と言ったというから、本当に命が危険だったのだ”。 夫から逃げて日本に戻ったが、状況は思わしくなかった。 夫が協議離婚を拒否する状況で離婚訴訟を進めざるを得なかったものの、弁護士を選任する費用を負担することができなかった。 夫に暴行された証拠を集めていなかったため、関連機関に助けを求めることもできなかった。

“高校時代に、路上で統一教の布教団と初めて会った時が恨めしい。 “私は統一教にだまされて青春を失った。 私は韓国の夫にとって一人の尊厳な人間ではなかった。 今からでも抜け出したいが容易ではない。 今も私と同じ立場で韓国で暮らす日本人女性が6000人程度いる”。 現在、日本の故郷に滞在している彼女は、今も道で統一教会に向き合えば、ぞっとする過去を思い出して身震いする。

“愛して結婚しても喧嘩したり別れたりするのに、愛のない結婚はとてもひどいです。 それに言葉も通じないからこれ以上言うまでもないですね. 韓国に住む間、統一教を通じて韓国に来た日本人女性だけでなく、東南アジア各地で事実上、売買婚で韓国に来た移住女性たちとたくさん会いました。 “韓国語が下手でも、みな尊厳ある人間なのに、彼女らが不当な待遇を受けて苦労するのを見ると、心が痛みます。”

日本で”統一教被害者”の法的救済を手助けしている”全国霊感商法対策弁護士連絡会”によると、日本人女性が統一教によって結婚し、アルコール中毒など男性の帰責事由で婚姻無効訴訟を起こし、原告勝訴の判決を受けた事例は50件余りに上る。 全国霊感商法対策弁護士連絡会は”被害者は教会で指定した相手を拒否すると、自分や祖先の救援の道が閉ざされ、病気にかかったり、けがをしたり、死ぬことになったり、死後に地獄に行くことになるなどの考えで悩み、相当精神的な苦痛を受けた”とし”これは日本国憲法が保障する婚姻の自由を侵害する違法事例”と指摘した。

一方、このような事例から、統一教で推進された国際結婚を一般化して批判するのは理屈に合わないという反論も存在する。 世界平和統一家庭連合の日本側家庭連合·家庭教育局は”祝福家庭(統一校内の結婚家庭)の離婚率は1.7%、特に韓国·朝鮮人(北朝鮮人や朝鮮籍在日韓国人)の配偶者に会った際の離婚率は1.3%で、これは日本や韓国の一般家庭の離婚率と比べても著しく低い”と明らかにした。

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