最近、韓国で”反日種族主義”という本が出版され大きな反響を呼んでいる。
いわば、今まで否定主張してきた植民地期に行われたという慰安婦問題や徴用工問題及び独島(竹島)問題などを否定し、資料に基づいた新しい主張を展開してる。韓国の国内ではショックが走り、執筆に関わった著者たちに対してまともな反論はできず、人格侮辱や暴力による脅威を加えている。執筆者たちは慰安部問題を訴えてきた旧挺対協に対して討論に臨むよう圧力をかけているがどうやら旧挺対協はそれくらいの能力がないのが現状ではないかと思う。また、民族研究所も徴用工問題関わってきたが、今のところ反日種族主義の執筆者に対して真向こうに反論できなさそうに見えない。
果たして、この問題はどんな形で決着をつけるのだろうか!非常に気になるところである。
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1.論争を回避する卑怯さ

「歴史学界は、なぜ<反日種族主義>の本に反論できないのか。

このような質問に対する答えが、市中にある既存の歴史学者たちの本を買って読んで見ろということだ。

この本は既存の「民族史観」に立脚した既存の歴史学者たちの通説を否定する本だ。 ところで既存の本を買って読んで見ろって? これは天動説を否定し、地動説を主張して宗教法廷で審判されたコペルニクスの主張に対して、「彼の主張が間違っていることを知るには、既存の神学書籍を読んで見なさい」ということと何が違うのか。

Aという主張があった。 この主張を展開するためにAの証拠を示した。

Aが間違っているという主張が出た。 この主張をするためにはAの証拠が間違っているという根拠を示した。

これがこれまでの進行だ。 ところでAの証拠が間違っているという根拠が提示されたのにAの証拠をまた行ってみるようにって? これは宗教であり、学問的回答ではない。

2.経済の無知と経済を見下ろす士農工商的な見方

経済学者たちは「金の流れ」だけを見るという。 「最低賃金を引き下げ、金持ちにお金を集めてこそ、経済が成長する。 そうしてこそ、貧しい人たちも恩恵を受ける”という’李ミョンバク・朴クネ主義者’と語る。 そして、彼らが掲げる「ファクト」は、「反人間的な歴史観」によって歪曲されたものだと言う。

お金の流れを一番重視した者はカール マルクスだ。 お金の流れが人間の暮らしと幸せを破壊すると主張した人だ。 そして今も資本主義を覆すべきだと主張する人々の主張は、大半が所得不平等、すなわち金の流れに焦点を合わせる。 それで経済学者だけがお金の流れを見るのではなく、実は左派こそこの流れを持って資本主義を攻撃する。 財閥に対してどうして非難ばかりするのか。 金の流れを彼らが歪曲して見るためだ。

“李ミョンバク・朴クネ主義”だって? 最低賃金の引き下げや廃止が、金持ちらに金を集中させるという主張こそ、ジョン・ウヨンが経済の”経”も知らない者であることを示している。 “最低賃金の適正賃金は0ドル”というのはリベラル新聞の代名詞、ニューヨークタイムズが主張したのだ。 最低賃金の過激な引き上げ、最下位20%の労働所得が2018年、2019年2四半期に15%以上に減少した。 お金の流れる原理を知らない者が世の中を支配すれば、世の中は彼らの言葉とは正反対に流れる。

「人が先だ」という人間的な歴史観は、すべての独裁とファシスト、左派が持ち出した共通したモットーだった。 北朝鮮も、お金の流れよりも民族の自主性、主体性がより重要だという体制の悲劇だ。

3.植民地近代化論の悪魔化

ファクトはファクトだ。 それが歪曲されたなら統計的に指摘すればいい。 あなたが主張する「反人間的な歴史観」でどのように歪曲されたのか、たった一つの事例だけでも見せてほしい。

植民地時代に近代化が進んだ。 それはファクトであって、いかなる「歪曲」と片付けることはできない。 しかし、それが異民族による、他の民族の支配の下に行われたという事実まで称賛し、肯定する人は誰かいるだろうか。 このファクトを言った人たちがそんな賛美をしているとあなたは詭弁を並べ立てる。

遅れた文明は、先の文明に出会って発展する。 その出会いの形式が植民地とはとても強圧的な形で行われるもして、2次世界大戦以後、グローバル化の世界秩序のもと、自発的取引を通じて行われるもする。 人類の歴史進歩を信じるということは、先の不幸な取引から後の自発的な取引へとつながる歴史の学習を私たちがしたということだ。

しかし、先の文明と遅れた文明が会えば、遅れた文明は、先の文明の影響を受け、近代化、現代化の衝撃が始まるという事実をいくら否定したくても否定できない。

知識と文明は水と同じで、高いところから低いところに流れる。 それは宇宙のエントロピー法則だ。 何を否定したいのか。

ライター:李ビョンテ
行動する自由市民共同代表。
前カイスト(kaist)経営大学学長
THE THIRD WAY 編集委員

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