ライター:韓政碩(未来韓国編集委員)

「私は大韓民国の現在の状況が、聖書の中のイスラエルの状況と非常に似ているような気がします。

イスラエルは初期には多神教社会でした。 ヘブライという民族のアイデンティティーはありましたが、その勢力が微々たる時期には、周辺の強盛な異方族の神々や偶像が彼らに広く広まっていたのです。

そんな時に神様は族長アブラハムを呼んで契約を結びます。
君が僕を唯一仕えるなら、僕も君たちを祝福する。

そうしてユダヤ人の中にアブラハムの族と神様との間で口約束が成立します。

この口約束を証明するためのものが言約櫃です。
彼らは移動生活をしながらも、この言約櫃をいつも持ち歩いていたのです。

神様と結んだ契約は履行されなければなりません。
それを違反すると、神様は激しい鞭をふるいました。 悔い改められて反省し、またその口約束に戻るまで打ちます。もちろん、彼らが神様との契約を忠実に履行して仕えると、彼らには祝福が与えられました。

何だか迷信的な話のように見えるかも知りませんが、まさにこのテーマが自由民主主義と資本主義社会で法治と契約の信義誠実という精神的原型です。

ヘブライ人たちに契約で成立した主権は主に神様にあり、神様はその主権の代理として族長たちを選択して立てました。 まさに祭祀場たちでしたね。

これでヘブライ社会は祭祀長の権限が強かったのですが、その祭祀長もやはり神様と結んだ口約束の下にあるべきです。 これがその後、欧州における「王権神授説」の政治哲学的な基礎になります。

「私が王で、私が神だ」
このような国では君主の暴圧政治が可能ですが、もっぱら主権は神様にあり、祭祀長は神様の意に服従しなければならないというヘブライ的政治思想は神様が祭祀長に次のように命令します。

言約によって君の民はすなわち私の民だ。 だから正義が川のように流れるようにせよ。

つまり、いくら権限の強い祭祀場でも彼が離脱してはならないのが、まさに神様との口約束であり、これが言わば近代国家では憲政だということです。

ところで興味深い主人公がいます.
そうモーセです。
モーゼがエジプトにて奴隷として暮らしていたヘブライ民を率いて脱出し、豊かな約束の地、カナアンに入ろうとしたが、すぐには入れませんでした。

広野時代を経なければならなかったのです。
自由を得たヘブライ人たちは時間が経つにつれ恨みが増します。

「寧ろエジプトで奴隷生活をしてたのがましだった。 何これ’

広野でヘブライ人たちは堕落し始めます。
信仰の祖先であるアブラハムが、神様と結んだ約束を忘れて、再び異方族の偶像に仕えます。

モーゼがシナイ山で、神様からイスラエルという政治的共同体の規約、すなわち十戒命をもらって降りてきた時、そのような堕落した場面を見て、その十戒命の石板を投げつけて壊します。

現在で言うと、その十戒命は、今日のすべての主権国家の最高規範である憲法のようなものです。 それを破壊してしまったのです。

そしてモーゼは、広野のイスラエルのテントの中から若者たちを呼び集めます。 刀を渡しては、偶像に仕えながら宴会をした自分の同族を虐殺し始めます。
3千余人がモーゼの手に虐殺されました。
彼が受け取った十戒命には「殺人するな」がありました。 世俗部分で第1の戒めでした。 ”お前の隣人をお前の体のように愛しなさい”という戒命もありました。 しかし、モーゼは同族を3千余人も虐殺しました。

「憲政を留保または破壊し、イスラエルを再び神様との契約に戻すために モーゼは殺さなという十戒を破って同族を虐殺したのです。

そうして、広野のイスラエルは再び口約束に戻り、やがて彼らは「約束の地」カナアンに入ることができました。
しかし、話の終わりはここではありません。

そのカナアンの中には、強盛な異方族が住んでいたのです。
しかし、広野で堕落したイスラエルが血の犠牲を払い、再び口約束の民に戻った後だったので、彼らは異方族と闘争して勝利することができたのです。

もし、そのような状態ではなく、偶像たちに仕えて堕落した状態でカナアンの中に入っていたら、おそらくイスラエルは異邦族との闘争で全滅していたでしょう。

大韓民国がまさにそのような状況だと思います。
奴隷から脱出したものの、広野で堕落した状態だということです。

統一というカナアンに入るためには、また口約束の価値に戻らなければなりません。 そのためには、思想的、理念的、道徳的異端と政治的偶像崇拝者をすべて撃ち破ってこそ、統一というカナアンに入ることができるということです。

そうせずに統一をすれば私たちが死ぬでしょう。
朴正熙はそれを本能的に知りました。
それでデタント解氷期に”10月維新”を断行したものです。

今はどんな状況でしょうか。

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韓政碩:未来韓国編集委員