ライター:白川司

最近は長期経済停滞することを「日本化」と呼ぶことになっている。国際標準。さすがはワールドに人気のジャパン!

「日本化」をざくっと説明すると、バブルが弾けて、不動産などの資産を買っていた企業や個人が含み損を抱えて、投資も消費もできなくなり、長期にわたって経済が停滞することだと思ってもらえばいいだろう。

資産が縮小して、人件費を下げるためにリストラして、キャッシュフローが減って、バランスシートの数字がどんどん小さくなっていく様子から「バランスシート不況」と呼ぶこともある。私はバランスシートのことはわからないが、詳しい人はこっちのほうが実感が湧くらしい。

で、最近でいちばん日本化が激しいのが韓国だ。

朴槿惠大統領のときに不動産バブルが弾けて、企業も家計も赤字を抱えているが、家計のほうの赤字がひどくて個人消費が伸び悩んで、デフレに突入しそうな勢いだ。

しかも、文在寅が最低賃金を大幅に引き上げたもので、人件費を下げるために就職率が極端に下がっている。優秀な韓国人の若者も受け入れてくれる企業がないという状態。

日本が戦略物資の優遇措置を撤廃したとき、文在寅はしめたと思ったはずだ(浅はか)。いまの経済不振を反日感情にぶつけさせて、国民の不満を日本に逸らすことができるからだ。

実際そうなったのだが、「日本製品を買わない」をやってみて、韓国人が気づき始めたことがある。それは「日本製品が知らないあいだに韓国に浸透していた」ということ。

ビールのようなわかりやすいのはいいのだが、わかりにくいところに日本製品や部品が信じられないくらいここかしこにあり、中には「欠かせない」ものもある。そんなのをボイコットしていたら、買うものなどなくなってしまう。

そこに気づいたあたりから、支持者にも「文在寅ちょっとおかしいぞ」と気づき始めた人が少しずつ増えている。これがマグマのように静かに沈殿していっている。

韓国に迫る経済危機、日本が教訓に
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