日本史に於いて、天皇は何時から存在していたのか、疑問に思っていた。
だけど大海で溺れるような感じでそれを理解するのはそう簡単ではなく、
あれこれ史料を拾って読んでいくうちにちょっとわかってきたような気がする。

初期の天皇の存在は神話的な要素が強くそのまま鵜吞みするまでには行かず、
調べてみたところ、宮内庁のウェブサイトに歴代天皇の家系図が載ってあったので基本的な資料は入手出来た。
そこには初代天皇は”神武天皇”であると書いてあるが、即位年代を見るとBC660年であった。
BC660年であれば日本では縄文時代に当たる。その疑問は後程にして、ほかの資料によると実在した天皇は崇神天皇であるとしている。
また、初期の天皇は”大君”と呼ばれていて天皇という呼称を使ったとされるのは天武天皇からであると言う。

では、BC660年代はどんな時代だったのか。
縄文時代は、氷河期が終わったころの1万2000年前からBC400年までだと推定してる。
縄文時代の生活は採取や狩りをしながら暮らす時代で生活形態は定住していたとされている。
この時は集団生活をしていたとされているが国を作るほどではなかったと思っている。
縄文時代の後期、稲作が始まったとの見解があるが、BC400年(BC300年とも)ころから朝鮮半島から、
また中国の大陸から、そして沖縄を経由して稲作が伝わり弥生時代が始まったという。
この稲作の文化と鉄器文化の伝来がもたらした影響は列島の生活に於いて大きな影響を及ぼしたという。
稲作により人々は定着生活になり共同作業の必要により村が形成し、豊かな地域とそうではない地域間で差が生じるようになった。
そこで食い物をめぐり争いが起こり、力を持った勢力によってその支配地域が拡大されて行き、
村が国へと発展していく過程を辿っていたと考えられる。
そう考えるとBC400年前から稲作が始まり村から国へ発展していく期間はどれほど掛ったんだろうか。

女王卑弥呼が統治したとされる邪馬台国が中国の歴史書に登場するのは3世紀であるというから、
初代天皇とされる神武天皇の存在については、その当時の時代背景を理解する上では考えられない点がある。
でも天皇の家系図は記録として残っているから否定も鵜呑みも難しいところがある。
宮内庁が出している資料だからついつい信じてしまう恐れがなきでもないが、当時の時代背景を理解しているならば
自分なりの判断ができると思う。そうでなければ疑問を抱くことなくそうかなと思ったりするだろう。
何しろ国が出来た歴史が長い分その歴史はややこしい側面を呈してると思わざるを得ん。

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神武天皇