南漢山城の吹き替え版を見た。
この映画は開封前からネットで大変話題になつていたけど、日本で見るのがそう簡単ではなかったので見送っていた。その後ユーチューブにて色んな解説があり、昨日はある歴史専門家が史実に基づいたよくできた映画だつたというので、カードで払ってみることになった。
以前、映画やドラマで歴史勉強をすると、からかった時があったけど、そうでもないと予め分かった。後で検証が伴うと映画であれドラマであれ参考になるし勉強にもなる。
この映画を見るときは、ただ面白さで見ることが出来ると思うのだが、時代的背景を理解するのもいいと思うし、ただ普通の人では難しい部分でもあると思う。
日本列島では、人よ空しい応仁の乱が1467年に起こり10年間続いたことや、その後室町幕府が崩壊し戦国時代が始まり江戸幕府が成立するまで140余年間続いたというが、列島でこんな呑気な戦が続くことが出来たのはやはり外堀の玄界灘がいた地政学的位置にあったことであろう。
この玄界灘の存在が列等にいい影響を与えたり負の影響を与えたりしたなと思ったりするが。
豊臣秀吉が列島を治まり、その軍事力に自信を持っていたと推測されるのだが明を征服しようと思っていた。明を征服するにはまず朝鮮を屈服させる必要があった。しかし、朝鮮は明にくっ付いていたのでそう簡単に日本のことを聞く筈がなかつた。当時の明は朝鮮が崇拝する学問だけじゃなくヨーロッパとつながつていた帝国であった。朝鮮はONLY明のみだった。
この時の明が国力が衰退していくところだったのを後で分かったけど、秀吉軍が朝鮮を侵略したときに参戦してきた。この7年間の戦争で朝鮮の国土は荒廃し大きな打撃を受けた。また明の国力も大分衰退したのも事実だし、その後の日本も豊臣政権が亡びるきっかけになっ多と言えると思う。
この7年間の3国の戦いで大もうけしたのが朝鮮の上にあった後金という国であった。女真のヌルハチは部族を統合し国号を後金とし明と覇権争いを始めた。
その過程で、文禄慶長の役が終わったおよそ29年後朝鮮を侵略した。これが朝鮮では丁卯胡亂といい、朝鮮朝廷はソウルの近くにある江華島に避難し徹底抗戦した。長期戦に持ち込むと後金側では補給の問題もあるし背後に朝鮮軍の反撃もある。また、明からの攻撃も予想されるので長期戦には耐えきれず講和条約結んで撤退をせざるを得ん。
朝鮮では無防備で禍を招いたんじゃなく、北からの侵略を対比していた。それが北の方に軍を配備して置き、いざ攻めてくると籠城戦に持ち込み朝廷は江華島に入り長期戦に持つて行く作戦だった。この時は朝鮮の作戦通り持っていき、後金と兄弟の関係をむすぶ条約で収めることが出来た。
その後、1636年に後金は再び朝鮮を侵略してきた、これが丙子の乱である。この時の後金は前回の失敗を繰り返さないように精鋭騎馬軍の先発隊を持つて速攻で漢城を攻めてきた。朝鮮はいつもの通り籠城し朝廷は江華島に入り長期戦に持ち込もうとした。しかし、あまりにもハイスピードで攻めてきたので朝廷は江華島に入ることが出来ず、第二の避難先であった南漢山城に入ることになった。
昔の寒さは今と違い本当に寒かったようでその寒さは両国軍においては同じだったけど、ただ南漢山城の中では長期戦に持ち込むための兵量が少なかった。そのため後金の攻撃に耐えきれず朝鮮王は降伏することになった。そして朝鮮の仁祖は清の皇帝であるホンタイジに臣下の例を奉げる三跪九叩頭の礼の恥辱を味わうことになった。また、この時、朝鮮の多くの民が捕虜として連行されることになったという。