「平壌に到着してあれこれ手続きを受けて空港を出るのに3時間近くかかった。北朝鮮に滞在している間はホテルと競技場を往復しただけだった」

サッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選が行われる北朝鮮・平壌へ韓国代表チームと一緒に行った大韓サッカー協会関係者は、平壌遠征を「悪夢のようだった」と表現した。この関係者によると、韓国代表選手たちの苦行は、北朝鮮に足を踏み入れるとすぐに始まったという。韓国代表選手たちは平壌・順安国際空港でかばんに入っている所持品を一つ残らずすべて手書きで書き出さなければならなかった。北朝鮮の関係者たちは「これは間違っている」「あれは間違って書かれている」などの理由を挙げて突き返してきたため、全員が何度も書き直したとのことだ。選手たちは肉や魚介類などが入っているメイン料理の材料の箱3箱を特別に用意し持っていったが、空港に到着するやいなや押収された。

14日午後4時半、北朝鮮に到着した韓国代表チームは、結局約3時間にわたり検査を受けて、外が真っ暗になったころ、疲れ果てて空港を後にした。この大韓サッカー協会関係者は「我々が来たことを(北朝鮮の)人民に知らせないという北朝鮮の意図が見えた。暗くなってから我々を移動させるため、わざと時間を引き伸ばしているような気もした」と語った。

韓国代表選手団は携帯電話を中国・北京にある韓国大使館に一括して預けて平壌入りした。本さえも北朝鮮への持ち込み禁止品目だったので、持って行くことができなかった。宿泊先の平壌高麗ホテルのドアでは保安要員が見張っていて、散歩も思い通りにできなかったという。結局、選手たちはホテルの部屋で休息や睡眠を取るなどしてほとんどの時間を過ごした。韓国代表選手団は16日も外出せずホテルの部屋で過ごしてから空港行きのバスに乗った。韓国対北朝鮮戦を「幽霊試合」と表現した外信報道の通り、サッカー韓国代表チームは平壌で「幽霊」扱いをされたまま17日午前、韓国に戻った。

朝鮮日報
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