ユニクロが成長した背景
ライター:白川司
ユニクロが出始めたときは日本は長期的な不況だった。
アパレル業界に長い知人に「なぜユニクロだけが躍進できるのか」と聞くと、「そりゃ、環境問題に考慮せずに中国で安い人件費で最悪の環境で大量に作れば、安くていいのができるよ。それを売る力はたしかにすごいけどね」と言った。
ユニクロにとって、中国は恩人みたいなものだろう。
でも、そのユニクロはいまCM問題で韓国から大バッシングを受けている。日韓問題について日本人が劣化したなどとほざいた柳井会長はいまどんな気持ちだろう。
韓国にこびを売った日本人は利用し尽くされる。弱みを見せたのと同じだからだ。それがわからない日本人が、「良心派」に見せるために、日本人批判をして韓国を擁護する。
見苦しい。
もちろん、人種差別的な韓国人批判も私は嫌いだ。韓国人ひとりひとりはいい人が多い。集団になると凶暴になりがちなのは閉口するが。
さて、ユニクロがやった方法は世界中のアパレルがやっている。あのルイ・ヴィトンですら低賃金問題がバレたことがあるくらいで、アパレルと低賃金労働は切っても切れないとすら言ってもいい。
日本も従来は「良い物は高い」で着物を中心に衣服文化を発展させてきたが、もう「着物をできるだけ安く」の時代になっている。焼き物だって「有田焼きの安売り」を買おうなんて時代だ。
ちなみに、1980年後半に作られた着物は圧倒的に質が良いらしいから、中古はその時代のを狙うといいよとお店の人が言っていた。
Amazonなどではバカみたいに安い服が売られているが、すべて新興国の労働者をこき使って作られたものだ。
中国製で純正でないサプライ品が純正の何分の一かで売られていることがあるが、それも同じ。労働者をこき使い、環境汚染を気にしないから可能になっている。
地球環境や労働者の人権を守りたかったら、異常に安いものは買わないで、しっかり作られたものを適正価格で買う必要がある。「レジ袋有料化」とか「プラスチックストローを止めよう」なんて、無意味とは言わないまでも、ほとんど効果が無いだろう。
それよりは過当な安売りを止めたほうがずっと環境にはプラスになる。
それができないのなら、グローバリゼーションなんてとっとと止めたほうがいい。
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