日本は今こそ、マグニツキ―法制定を進めるべき
ライター:三浦小太郎(評論家。人権活動家)
北朝鮮人権映画祭で言い忘れたことがありましたので書いておきます。
日本は今こそ、マグニツキ―法(名前は別に「アジア人権法」とかのほうがいいと思うが)制定を進めるべき。これはきちんと交渉、連携すればアメリカの民主党、共和党の政治家両方の賛同を得れるはずだ(ウイグル人権法は上下院ほとんど全員が賛同しているのだから)。そして、EUやイギリスの支持も得られるだろう。この法整備と、日本の基本的な外交方針「自由で開かれたインド太平洋構想」を結びつけること、これが一番の急務(これは当然民主国家台湾への支持に論理的につながる)。国会で一番議論しなければいけないことはこのことのはずだ。
マグニツキ―法というのはかんたんにいえば人権侵害の制裁対象となった者に対してビザ発給停止や資産凍結などを行うための法律。中国も北朝鮮も日本政府に意志さえあれば制裁対象になる。当然、朝鮮総連は資産凍結対象である。
これを今進めているのは日本ではJPAC(対中政策に関する国会議員連盟)で、私はこの議連の努力には敬意を表するのだけど、この議連だけにまかせるのではなく、より広い国会議員がこの方向でまとまっていってほしいと思う。北朝鮮の独裁政権を倒そうと思ったら中国の独裁政権とも戦わねばならないことは確実なのだから、「アジア人権法」の発想は絶対必要だ。この方向で法案を制定するために動いてくれる議員は政党や個人的好悪をこえて私は支持する。議員の仕事は法律を作ることであって集会で演説すること「だけ」ではない。

先週、大阪にて開かれた、北朝鮮に人権を!映画祭で北朝鮮の実情を描いた映画を観たけど、その内容はじゅ〜ぶ〜ん聞いていた内容であった。
しかし、映画を見るとまた伝わってくる感じは違うのを感じた。北朝鮮は1990年代に入ってから経済が破綻し大量の餓死者出したのは既に広く知られていることで、その数は30万名を超えるんだそうだ。
私は60年代に生まれ70年代に貧乏生活を送っていたとたまに言ってきたけど、それにしても食べ物に困った覚えはない。幼い田舎での生活が自然食に豊かな海の幸が今振り返って見ると贅沢だったと思ってしまうほど。
あの北朝鮮の映画の背景は90年後半であると思われるが、90年後半にあんな状態であるなら話にならん。
だからって、個人としては何にも出来ない、何にもやってあげれない、異なる南北の政治体制がこんなに大きな経済差.悲劇を生んでしまったことになる。