ライター:李宇衍(経済博士、洛星台経済研究所研究委員)

ドイツのベルリン市ミッテ区に立てられた「平和の少女像」

感想:
第一に、慰安婦研究者が参考できるような引用箇所はない。
第二に、論文が掲載されたジャーナルInternational Review of Law and Economics はSSCI 登録紙ではない。
奇怪な点:
投稿されたのが昨年8月29日、掲載確定が11月28日だ。 3ヶ月かかった。 韓国内ジャーナルよりも早い。 海外SSCI級ジャーナルの場合、投稿から掲載確定まで3年がかかる場合も多い。
期待への裏切り:
第一に、ジャーナルのタイトルやマスコミの紹介、初録を見て慰安婦についてのゲーム理論的アプローチであろう考えした。 例えば、ゲームモデルを作り、その解答(solution)として日本、業者、または慰安婦の行動を説明する論文ではないかと思ったが、そんなことはない。だから気軽に読んでいいということ!
第二に、新たな資料を発掘ㆍ利用したり、新しくて独特なインサイトによって慰安婦が、なぜ性奴隷ではなく、性労働者なのかを説明するものと考えた。 これもまた、そうではなかった。 慰安婦が、なぜ性奴隷ではなく、性労働者かに対する新たな資料や別途の論理に関する記述は全くない。 “性奴隷(sex slave)”についてはそのような単語さえない。 他の説明はなく「売春婦(prostitute)」で始まり「売春婦」で終わる。 慰安婦も別にcomfort womenと使わず、ただprostituteと書く。

内容:
軍慰安所の慰安婦は日本や朝鮮内の売春婦よりも危険な職業(job)だった。 軍慰安所に行けば、日本や朝鮮と違い、命が危険になることもあり得るし、女衒の契約不履行時に助けを求める警察や逃げ場がない。 事業主はもっとよい待遇で補償した。 契約する時に本人や親に支払われる前借金は、国内の売春婦より遥かに多く、義務的に働かなければならない最低契約期間ははるかに短かったし、本人によって発生する収入の中で、自分と女衒が受け取る割合は国内に比べてはるかに有利、その結果、国内売春婦より軍慰安婦の収入ははるかに高かった。 また、女衒はこうした慰安婦との契約を誠実に履行した。 以上のような内容が間接的に軍慰安婦が性奴隷ではなかったことを示唆する。 それで韓国マスコミが激怒したのか」。 軍慰安婦の契約はindentured-labor(連携奉公である)の契約と似ている。 おしまい

面白い箇所:
– 1924年、日本で公娼許可を受けた売春婦は一日平均2.54人の男性を相手に
– 1934年、日本秋田で公娼の許可を受けた売春婦は年間884円、不法(すなわち私娼)の売春婦の代名詞”酌婦”は518円。
– 1935年、朝鮮、朝鮮人、公娼の売春婦1,330人。 許可されていない売春婦を表すbarmaid(女給?)1,290人、cabaretworker(ダンサー?)6,553人。
– 1940年、上海。 日本軍慰安所で働く朝鮮人女性は12人。ところが朝鮮人無許可売春婦は527人。
-慰安婦たちが強盗されたらどうする?、軍隊が撤退すれば、私のお金を持って行けますか? 私が死んだら私のお金が家族に届くだろうか。 心配。それでビルマでは、各慰安婦に郵便貯金通帳を作ることにした。 ビルマの文玉珠さんの 「私の人生で初めて貯金通帳の所有者になった」
“短い夜”は英語で”short stay”、”長い夜”を”overnight visit”と言うんだ。

総合:
内容についてはすべて同意する。 ただ、戦前の2年間に軍需産業の労働力が急激に不足し、慰安所が衰退したと主張するが、論理的飛躍であり、実証されていないため同意出来ない。 上記のような内容だから一つ一つの事実は私の考えである慰安婦=性労働者]と矛盾せずに、上に書いたいくつかの事実は私には新しくて面白い。 ただし、全体的に、論文というにはそれに見合う新しいものがないという話である。 概ね、うまくいったサーベイ、しかし、1次資料(すでに知られているが)も少し利用されたサーベイ(調査)だ。 「韓国のマスコミがあまりにも軽々報じた。 読まずふざけたに違いない。 とにかく、この論文は博士課程のタンペーパーだったら、そうすればうまくいったことだという…。

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