ライター:斎藤拓司(在香港日本人ビジネスマン)

総務省

総務省官僚の接待問題への批判は、多分に「総理の身内」と「高級官僚」への嫉妬とねたみがあると感じるが、法律がある以上、高橋氏が言うようにアウトであり、処分は当然だ。

しかし、世論には許認可権を持つ行政官と業界担当者がメシを食うことすらイカンする向きもあり、あまりにも世間知らずなので呆れている。行政といえども、集めた税金を使って何らかの経済活動をするのだからビジネスだ。地方の建設関連を筆頭に、日本は公的支出によって生計を維持している人々はたくさんおり、その比率は先進国中でもかなり高い(日本が財政赤字になる理由でもある)。
ビジネスなのだからコミュニケーションは重要であり、飯を食いながら情報交換をして、双方がお互いの事情を理解し合うのは当たり前だ。硬直的で一方通行の行政にならないように、官僚はもっと民間との会話を増やすべきだし、業者側は自社PRと市場状況を説明して理解を求める。まさに営業力だ。
こうした相互理解の場として会食をすることまでイカンと言っては、血の通った行政など出来るわけがない。問題は業者側が一方的に費用を負担することであり、むしろ高級官僚なら月に10万円程度の交際費を予算化しても全く不思議ではない。賄賂防止にもなる。
日本で行政のデジタル化が著しく遅れ、ワクチン接種や支援金交付が迅速にできないのは、物事の一面だけ見て批判するマスコミと、それに踊らされる国民にも責任があるということだ。
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高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
悪質「組織ぐるみ」の総務省接待 なぜ全額自腹にしなかったか悔やむだろう