解説:鄭安基(経済博士、韓国近代史専門)
本文整理:崔榮黙(メディアトラジ管理者)

韓国の近代史に関心がある人は参考にする内容の映像であると思う。
それは、この本が偽物だと一般に知られているからである。

安斗煕が金九を暗殺後逮捕され裁判を受ける間に刑務所で書いたとされる本”弑逆の苦悩”が偽物であると専門家によって主張されたし韓国の公式調査によっても偽物だと発表されている。
しかし、それは本当であろうか!と鄭安基氏が当時の記事や裁判記録を基に再検証をしてるところである。

弑逆の苦悩が偽物であると主張されたのは、
・1995年にド・ジンスンさんにより、弑逆の苦悩は偽物であることは明白だ。
・1995年に、韓国の国会が調査団を組んで検証したところ偽物だと結論付けた。
・2002年に、金・サンウンと言う人が李承晩側近が変造した本である、、、、、とど。

しかし、この本は韓国の歴史に於いてもまた、イデオロギーに於いても非常に重要な問題であるので立場によってその見方は変わってくる。
今までの通年通り果たして偽物であろうか!を再検証に当たって、その根拠として。
・多数の反対派によって安斗煕は拉致・監禁・暴行を受けて偽物だと自供した点。
・1949年の裁判記録や政府発表また、1950~1980年代の自発的証言を対照・確認して判断すべき。であると鄭安基氏は主張してる。

裁判の審問中金九の秘書官から面白い供述がありご紹介すると。
答弁の中に”主席”と言う言葉が出てくる。これに安斗煕の弁護士が”主席”ってどういう意味か!と問い返す。これに金九の秘書官が答えるに、金九主席だと答える。これに安斗煕の弁護士が再び問い返す。臨時政府は今も存在するのか?と。これに金九の秘書官が答える。今年は大韓民国31年ではないかと。
彼ら(金九の勢力)は198年に大韓民国が建国されたのに未だに臨時政府の思考から離れなかったことを知ることになる。また、韓国の主役は金九を中心とした自分たちの勢力が慣れなければいかんと思っていると伺える。

安斗煕は金九を暗殺した理由について、
金九が作った”韓国独立党”は、暴力を排除した路線であると思っていたが実際はそうではなかった。それで非常に失望した。韓国独立党の関係者をたびたび会っていたが彼らは政府の施策を非難ばかり、大統領(李承晩)を非難し米軍撤退を主張・アメリカからの援助を反対していた、、、などと述べている。

安斗煕は収監されたけど、その間韓国戦争が勃発し砲兵隊将校として参戦する。もし、この時安斗煕が金九を暗殺した不穏な思想を持っていたならば安は韓国戦争に参戦出来なかったはず。
終戦後安は一般人として暮らしていたが、1996年10月23日、高齢となった安斗煕は金九の熱烈な信奉者であった朴琦緖によって撲殺された。
老人になった彼を棒で殴って殺したのはショッキングは出来ことであるが、安を殴った棒は韓国では”正義棒”と呼んでいること。また、安を殺した犯人は後程金大中の政権により赦免された。これは本当に俄然されることであった。