ライター:崔榮黙(メディアトラジ管理者)

寮美千子著
なっちゃんの花園

あの厳しかった戦後の時代を朝鮮人たちはどうやって生き抜いてきたのか、日本人さえ大変だったというあの時代を。
京都に住むなっちゃんおばあさん(以降なっちゃん)はどうやって生きてきたか、関心があり読んでみることにした。
なっちゃんは戦前朝鮮人親から生まれ戦後小学校に通ったが生徒たちのいじめで学校をやめ家で母の内職を手伝ったという。その後歳になり名古屋の同じ在日朝鮮人と結婚した。夫はまともに仕事せずお酒にギャンブルで毎日だった。やがて借金の取り立てが家にまで来て家族はバラバラになった。夫も消息を晦まし一人になった若きしゃっちゃんはこの時子身籠っていた。居場所がなくなったさっちゃんは親の元に戻ろうとした。だけど、朝鮮では一度嫁いだ娘はもう他人同様実家に戻ることは許されなかった。
仕方なくなっちゃんは中人を通じて夫の母を探すことにした。のちに夫の母が名古屋までなっちゃんを向かいに来ることになった。
捨てる神ありゃ、拾う神ありか。
夫の母は東京に暮らしているというからなっちゃんは東京へ行くことになり大変うれしかったという。しかし東京へ着いてみたらあそこには到底人が住めるところではなかった。
場所は夢の島というが夢でも悪夢も夢だから、、、
我が祖国、わが身を快く受け入れるだろうと期待して向かった地上楽園、そんなような現実は大変で厳しかった。
なっちゃんはある日、ごみの中から大きな鉄板を見つけた。その鉄板を使ってお好みや焼き屋をしようと決めた。
普通、大きな鉄板を見つけたらいい値段で売れるからうれしいはずと思うのだが、それを利用して商売をしようと思ったなっちゃんは流石普通の人と違った面がある。
お好みや焼き屋を開いて、匂いを飛ばすだけでお客さんが溢れにあふれたという。ある程度お金をためたが、ある日、夫が赤詰めの女を連れてきて後に消えてしまったけど、なっちゃんのためたお金も消えてしまったという、、、嗚呼運がつかない人は不運が続くのか、これからのなっちゃんの運命は如何に!