北朝鮮、金大中元大統領夫人に弔電・弔花のみ

北朝鮮が12日、金大中(キム・デジュン)元韓国大統領夫人の李姫鎬(イ・ヒホ)氏の葬儀に弔問団を派遣せず、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長名義の弔電と弔花のみを渡してきた。金正恩委員長の実妹・金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党宣伝扇動部第1副部長が板門店の北朝鮮側にある統一閣で韓国側の関係者に会い、弔電と弔花を渡した。与党関係者らは同日午前まで「人道・倫理」に言及、北朝鮮が弔問団を派遣して南北対話再開の糸口をつかめるのではと期待していた感がある。

これに対して、「ハノイ・ノーディール(第2回米朝首脳会談決裂)」以降、南北関係で門戸を閉ざしている北朝鮮は最小限の誠意を見せながらも、依然として行き詰まっている南北関係の改善に本格的に乗り出す準備ができていないことを示したとの見方がある。金正恩委員長の弔花を受け取るために韓国政府の高官や李姫鎬氏の関係者が板門店の北朝鮮側地域まで行ったのは、常識や礼儀作法、国民感情にそぐわないとの指摘もある。

■金与正氏をよこして誠意見せただけ

韓国統一部(省に相当)によると、北朝鮮側は同日午前、開城の南北共同連絡事務所を通じて弔電・弔花を渡したいとの意向を明らかにしてきた。北朝鮮側は通知文で、「朝鮮労働党中央委員会の責任者である金与正同志が行くだろう。12日17時、板門店統一閣で貴側の責任ある人物と会うことを提案する」と知らせてきた。韓国政府は葬儀委員会との協議し、鄭義溶(チョン・ウィヨン)大統領府国家安全保障室長、徐虎(ソ・ホ)統一部次官、尹建永(ユン・ゴンヨン)大統領府国政状況室長、朴智元(パク・チウォン)金大中平和センター副理事長=民主平和党議員=を向かわせた。