韓国側の人物らは同日午後5時、統一閣で金与正氏、リ・ヒョン党統一戦線部室長と会って、15分間会話を交わした後、弔電と弔花を受け取った。金正恩委員長は弔電で、「李姫鎬夫人が金大中元大統領と共に民族の和解と団結、国の平和と統一のために尽くした献身と努力は、自主統一と平和繁栄の道を進んでいる現在の北南関係の流れで重要な基礎となっている」と述べた。

北朝鮮が弔問団を派遣しなかったのは、現在の米朝対立局面で韓国に期待できることはあまりないと判断したためだと見られる。崔鎮旭(チェ・ジンウク)元統一研究院院長は「北朝鮮は『ハノイ・ノーディール』以降、統一戦線部や傘下機関に対する検閲などで揺らいでおり、対話に出られる状況にない」と話す。南柱洪(ナム・ジュホン)元国家情報院第1次長は「首脳会談推進など、南北関係を本格的に修復する準備ができていたら、弔問団を送っていただろう」と語った。

北朝鮮が「弔花を渡したい」という理由で、韓国側の「責任ある人物」を呼び出したのは常識や礼儀にもとるという声もある。キム・スン元統一部長官政策補佐官は「北朝鮮が呼んだからと言って、喪主・葬儀委員長格の朴智元氏らが大急ぎで行くというのは低姿勢過ぎるように見える。北朝鮮では一番上で次官級の金与正氏が出てきたのに、韓国側からは長官(閣僚)級の安保室長が出ていったのもやり過ぎだ」と指摘した。

キム・ミョンソン記者 , キム・ギョンピル記者 , 坡州=共同取材団